usajii357’s diary

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読書感想文ー朝焼けは黄金色を読んで

この文章は圧倒的なお気持ち表明文です。是非回れ右しましょう。

 

…しないの?

朝焼けは黄金色とは

 765プロの事務員である音無小鳥。アニメで暗示されていたその過去を描いた漫画です。母である琴美を追いかけて上京した小鳥。そこで出会うのは後に765プロ社長となる高木順二朗と未来の961プロ社長である黒井崇男。母である琴美とはどんな人物だったのか、高木と黒井の確執の原因とは何だったのか、小鳥はどのような道を選んで事務員となったのか。アイドルマスター0とでも言うべき根幹の部分が描かれたストーリーが展開されています。既刊で3巻という事もあり、今からでも追いかけやすいです。是非是非。

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読書感想文

 ここからは朝焼けのネタバレを多分に含みます。読んでない方は回れ右してから読んできましょう。

 

 

 さて、本題に入ります。この物語で描かれているのは2人のアイドルだった少女の物語です。そしてあくまでも「アイドル」として見た時、琴美は言うまでもありませんし、小鳥に関しても事務員という職に就いている事からわかるように失敗しています。つまりこれは失敗の記録と言えましょう。

 小鳥に関してはまだその経緯を知る事は出来ませんが、琴美についてはその記録が描かれています。当時アイドル業界の転換期に差し掛かっていた事。若き頃の高木が琴美を見つけてきた事。高木と黒井が2人でプロデューサーを努めていた事。琴美への思いが異なる2人。軌道に乗り出した頃に判明する、琴美が持病を隠していた事。琴美がライブ直前に姿を消した事。そして様変わりした高木。

 プロデューサーとして必要な全てを持ち合わせていた高木順二朗を抜け殻同然にし、自らと高木が用意したステージを壊し、自らの考える理想のアイドルプロデュースについてこれなかった。琴美というアイドルはまさしく失敗作だ、と黒井なら言いそうなものです。

 そもそも黒井のプロデュースとは「システムの構築」とでも言うべきものです。疲弊したアイドル市場を前に徹底した生産者として最高のアイドルを最高売り方で提供する。そのシステムを考案し、システムによって「製造」された強いアイドルで市場を魅了するのが彼のプロデュースなのです。

 このプロデュースには身に覚えがあります。シャニマスです。「こうすればwingで優勝出来る」「こうすればtrueコミュが見れる」というノウハウに沿ってゲームをプレイし、四倍速でコミュを流し、アイテムを使って「正解」の選択肢を選び、強いアイドルを育ててグレードフェスで勝ち上がる。そこにアイドルとのコミュニケーションも何もありません。勿論初めはコミュをじっくり読んで正しいと思った選択をしていましたが、何度もプロデュースをしていく内に段々決まってきた私流の「システム」に従ってゲームをプレイしているな、と思います。

 「正しい」育成ルートを構築し、アイドルとの交流よりもルートから外れない事に気を配る。そうやって完全な商品として生まれたアイドルは成功を約束されたといっても過言ではありません。アイドルという厳しい環境で大成出来そうにない存在をダラダラとアイドル業界に縛り付けずに切り捨てる事も、ある意味優しさと言えましょう。こう考えればこのプロデュースは大正解です。残酷ではありますが優しさも兼ね備えています。私は黒井のプロデュースを否定する事は出来ません。

 それでも私は琴美を失敗作とは思えない。言いたくない。その理由は何なのでしょうか。そこに朝焼けという作品が「アイドルマスター0」と評される理由があるのだと思います。

 高木はそのやり方に「システムを作っていたつもりはない」と異議を唱えていました。彼のプロデュースとはアイドルひとりひとりに寄り添い、その個性を発掘し、活かし、育てる事。まさしくアイドルマスターの根幹にあるであろう物です。アイドルと会話し、レッスンに付き合い、一緒に買い物に行って…プロデュースとは直接関係ないような事まで要求してくるのがアイマスです。アイマス2をプレイした際に、ゲームとは言えここまでアイドルと会話させるのかと驚いた覚えがあります。アケマス稼働時に「キャバクラのよう」と形容されていたという噂を聞いていましたが、その会話量を考えると間違いとは言い切れないと思います。アイドルを1人の人間として捉え、思いを尊重し、コミュニケーションを重視するのがアイマスにおけるプロデュースなのでしょう。アニメにて小鳥さんが「アイドルの前に1人の女の子なんだ」といった旨の発言をしていましたが、その一言に尽きるのだと思います。

 アイドルとしての活動を琴美は後悔していたような描写は見られないと、少なくとも私はそう思っています。琴美はアイドルとして活動出来た事の喜びを、夢を見せてくれた事への感謝を高木に残して去っていきました。小鳥に関しても、事務員として社長や沢山のアイドル、そして我々Pを支える姿を失敗だとは思えません。人生はアイドルだけではないのですから。

 今後の朝焼けでは小鳥がステージに立ち、そしてアイドルとして活動していく姿が見られると予想しています。今後小鳥が、高木が、黒井がどのような行動を取るのか。そしてどのように765プロに繋がっていくのか、楽しみで仕方ありません。

 

プロデューサーってなんだろう

  さて…お気持ちを表明していきたいと思います。帰る時間ですよ

 

 プロデューサーって何なのでしょうか。

 我々プロデューサーは大抵の場合新人プロデューサーとしてアイドルを担当し、トップアイドルにする為に奔走します。預かるのは大抵の場合青春真っ只中の世間を知らない、赤子同然といえるような若者たち(勿論元医師という方もいますが、少なくともアイドル業界に関しては赤子同然と言えるのではないでしょうか)。そんな大切な時期をアイドルというものに憧れ、そして賭けに来た彼らの覚悟を、思いを背負う重さを、私は朝焼けという物語から改めて思い知る事になりました。

 シンデレラだろうがsideMだろうがシャニだろうが、アイドルマスターである以上我々はどこまで行って高木式のプロデュースをするのでしょう。つまり、プロデューサーが背負っているものはアイドルとしての歩みだけではありません。その人生そのものを背負っていると言えましょう。プロデュースとは、1人の人生を背負う事だと思います。

 ちなみにですが、ちょうどシンデレラ総選挙で担当を名乗っている歌鈴ちゃんが51位だったという結果を知ったタイミングで朝焼けを読んでプロデュースの「重み」を目の当たりにした私は数日間「プロデューサーを降りようか」と本気で考えていました。決してアイマスが嫌いになったわけではありません。何なら朝焼けの影響でアイマスがもっと好きになりましたし、例えPを降りてもアイマスに触れ続けようとは思っていました。ただ、私にPとしての覚悟が足りなかったのではと思ったのです。私が担当を名乗る事で、歌鈴に、志保さんに迷惑をかけるのでは、彼女達の人生を壊してしまうのではないか、という思いに捕らわれたのです。

 そんな私を救ったのが「未来予想図」という概念でした。「KeyPの部屋」という番組の第5回で出てきた概念で、「数十年後のアイドルについて考えてみよう」というものです。ちなみにですが、「KeyPの部屋」はKeyPさんが色々なPさんをお呼びして色々なお話をするラジオ番組で、第1回に私も出演させて貰っています。是非是非。

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 アイドルの十年後、ぐらいですと二次創作の場でよく見るネタにはなります。薄い本になっていたりするところもたまに見かけます。ですが「未来予想図」は数十年後、下手すれば半世紀後のアイドルの姿を考えるというものです。数十年後担当はどんな生活をしているのだろうか。アイドルとして活躍してるのだろうか。芸能界にいるだろうか。結婚しているだろうか。どんな人生を送っているのだろうか

 担当の人生を預かる身としてケジメをつけるにはこれだ、と私は思いました。私は担当の人生を壊してしまうかもしれない。トラウマを植え付けてしまうかもしれない。でも担当の人生に思いを馳せ描き出す事が人生という重荷を背負う覚悟になるのでは、と感じたのです。

 結果として私は道明寺歌鈴北沢志保という存在の担当を名乗り続けています。一つ変わった事と言えば、彼女達の40年後に思いを馳せるようになりました。

 歌鈴は57歳になります。バラエティ番組等で活躍し、何歳になっても笑いを提供してきた彼女もその頃までには芸能界を去って生まれ故郷の神社にいてほしと思っています。たまに手記を事務所や雑誌に寄せてくれます。結婚はしていて欲しいですが、なんとなく子供はいなさそう。でも地域の子供達に懐かれ、地域のお母さんお婆ちゃんとして今と変わらぬ笑顔を見せていてほしい。流石にその歳にこけると洒落にならないのでこけないようにね…

 志保さんは54歳です。彼女は俳優として第一線で活躍しつつもちょこちょこ曲を出していてほしいです。家庭というものに良い意味でも悪い意味でも影響されてきた彼女ですが、そんな彼女には子宝に恵まれて家庭を持っていて欲しいです。二~三人きょうだいぐらいはいて欲しい。そろそろ一番下の子の成人式でしょうか。相手は…誰になるんでしょうかね。彼女自身を認めて、受け入れてくれる存在を沢山持っていて欲しいなと思います。

 我ながら薄っぺらい予想図です。鼻で笑われても仕方のないものです。でもこれが私の覚悟の付け方でした。これからこの予想図を成長させていくのがプロデューサーとしての私のあるべき姿なのだと思います。そして予想図を拙くても描けるようになったアイドルが未来の担当になるのだろうな、とも思います。何時の日か、文章として世に出せるようなものに出来るようにしたいです。未来予想図合同があるとかなんとか聞きましたので…

 

最後に

 ハッキリ言って私はバカですアイマスはあくまでもゲームです。架空の存在に対して「俺は担当を名乗って良いのか」などと考えている状態…傍から見ればヤバイ奴でしょう。自分でもそう思います。

 ライブを見ていてもそうです。やっている事は完全にアイドルのファンです。それでも私はファンではなくプロデューサーを名乗り続けるのです。我ながら大変滑稽な姿です。でもそれがやめられない。何故なのか。

 アイマスとは壮大なごっこ遊びなのだと思います。おままごとです。それがとてつもなく面白いからこそ私はこのコンテンツに入り浸って、こんな文章を書くに至っています。とりあえず法には触れていないし、迷惑をかけている感じでもないのでこのまま狂っていようかな、と思っています。狂気の沙汰ほど面白い。

 このごっこ遊びですが幼少期よりも知性を多少得てしまったが為に、「この役を演じていていいのか」という疑念が度々生じます。そんな事考えずにごっこ遊びしていた方が気楽でしょうが…

 私は「遊びだからこそ本気になれる」という言葉が大好きです。これはガンダムビルドファイターズというアニメでの言葉です。ガンプラというおもちゃを操って戦い、老若男女がその全てを賭けて世界一を目指すという世界観なのですが「たかが遊びだ」とバカにするキャラに対して言われた言葉でした。

 そう、遊びだからこそ本気になれるのだと思うのです。遊びだからこそ本気で挑むのだと。本気で悩むのだと。疲れてしまった時は「遊びなんだから」と多少息抜きをしつつ、この遊びに全力でいきたいと思います。今後もバカをやっていくと思いますが、どうぞよろしくお願いします。

 

 何度も何度も校正を重ねて文章を書く私ですが、この作品に触れて感じたこと、思った事を出来るだけそのままの状態で書いておきたかったという思いがあり、一発で書いてみました。かなり拙いものになったと思います。物を書くというのは難しいものです…

 

 最後に。朝焼けは黄金色を買いましょう

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